あなたは検診を受けて「糖尿病の疑いがあります」と言われたばかりでしょうか。それとも治療を受けている患者さんでしょうか、あるいは患者さんの御家族の方でしょうか。
最近メディアがしきりに糖尿病を取り上げています。糖尿病になると『合併症で透析が必要になる』『失明する』『寿命が縮まる』などと聞いたり読んだりすると心配になりますね。でも私は「糖尿病です、ご安心ください」とお伝えしたいと思います。
糖尿病に限らず、病気に罹ると不安になります。よくわからないものが自分の体の中で起こり、日常生活に不便が生じ、命に関わるかも知れないと心配になります。でも、糖尿病では心配しないでください。糖尿病は「なぜ病気になるのか」、「なぜ良くなるのか、悪くなるのか」、「どのように治療すればいいのか」などが特によくわかっている病気です。
糖尿病には日本の何処でも受けられる科学的で確立された治療法があります。すべての患者さんに例外なく有効な治療法があります。医療機関で誰でも受けられる治療と、通常食べている食品を用いた食事療法と適度な運動で必ずよくなります。もちろんこれだけを飲めば、これだけを食べれば必ずよくなるという便利な、魔法のような食べ物も飲み物もありません。
糖尿病は治してしまえる病気ではありませんが、コントロールできる病気です。治療を根気よく継続する必要があります。糖尿病の治療はほとんどの場合、これまでと同じ日常生活を送りながら、外来で始めることができます。特別な場合を除いて入院する必要はありません。
糖尿病は食習慣、生活習慣、体質などが大きく影響するので、一人一人にあった治療法が必要になります。あなたの糖尿病の特徴をよく理解し、あなたの糖尿病に最も適切な治療法を選択し、継続することが必要です。 「ご安心下さい、糖尿病です。さあ一緒に治療していきましょう！できるだけ早く適切な治療に向けて、最初の 一歩を始めることが大切です。」